介護保険法とは

平成9年(1997年)に制定されました。高齢者や加齢に起因する病気などで生活に支援が必要な人を社会で支える制度です。基本は介護サービスにかかる費用の1割負担で介護サービスの利用が可能です。基本的な考え方としては「公的な支援を入れる事で1人でも多くの人がなるべく自立した生活を送れるようにする」のが目的の制度です。

財源
国や地方自治体と40歳以上の人とで50%ずつ負担します。64歳までは各種健康保険と同時に徴収し、一度全国プールされた後市町村に配分されます。65歳以上になると原則として年金から天引きされて市町村に直接納入される形になっています。

介護保険法が制定された背景

介護保険法が制定される以前

介護保険法が制定された背景には、社会の高齢化による老人福祉法の財政の破綻などがあります。かつては3世代以上の同居が珍しくなく、介護は自宅で行うのが前提となっていました。それが、時代が進むにつれ核家族化していく中、就労条件の変化などからも家庭での介護が困難となってきます。

高齢者福祉に公的支援が必要とされて行く中、昭和48年には老人福祉法(昭和38年制定)改正により一度70歳以上の医療費自己負担額は無料とされました。ところが無料化した事により不要な受診が増加します。また、入院したのち、家族の受け入れが不可能、親族がいないなどの場合に行き場がなく入院を続けざるを得ない「社会的入院」が問題化しました。

介護保険法の必要性

かつては主に健康保険(老人保健)で高齢者福祉をカバーしていました。ですが高齢者の増加によって財政システムが破綻した事や、圧倒的な施設不足、地域格差など問題が増えて行きます。家族のみによる介護が難しくなった状況も踏まえ「国民全体の介護の問題を社会全体で支える」という制度を導入する必要が出来、制定されたのが介護保険法です。

社会的入院のために病院のベッドが満床になって、本当に入院が必要な人が入れないなど、医療的な部分にも問題は波及しており、その問題の解消も含めて自宅へ戻れるようにする制度が必要という流れがあった事も制度が出来る経緯に深く関わっています。